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わたやんの健康・快適シニアライフ

わたやんの健康・快適シニアライフ

◇ウオーキングのすすめ!!

ウォーキングのすすめ

このページはやせたい方のために、少し医学的に解説を試みたものです。最初にお断りしておきますが全く努力する気のない方は対象にしておりませんので、その点誤解の無いようにお願いいたします。また、巷で言うダイエット療法とも異なります。あくまで、豊かな老後と真の健康のためにがテーマです


1.肥満とは?
肥満とは従来は身長に比して、体重が多いものを指してきました。
そのため、これまでは以下に示す方法で標準体重を求め、  (実測体重-標準体重)÷標準体重 × 100 = 肥満度 を算出してきました。

?昔からある方法  標準体重=(身長-100)×0.9
?BMI(Body Mass Index)を使う方法  
標準体重は BMI=実測体重÷(身長m)2=22  の時
従って、 標準体重=22×(身長m)2

これらは いずれも身長と体重より算出することが基本であり、そのため筋肉質で体重が多い方も、脂肪で太った方も同じ肥満度になるという不合理がありました。同じ身長で、同じ体重のプロレスラーと中年肥満男性を思い浮かべて下さればよくわかっていただけるとお思います。

というわけで、最近は体脂肪率、すなわち体の中にある脂肪の割合で肥満度を測定するようになってきました。 

体脂肪は皮下脂肪と内臓脂肪を足したものです。正確にはCTスキャンや超音波検査などで、実際に脂肪量を定量化して計算するのが正しいのですが、最近は簡易測定する器械が家庭用のものも現れていますので、それで代用されています。まだ器械によるバラツキが多いようです。

目安としては30歳以上の男性で約20%、女性で約25%が理想です。
 
 
2.どうして太るのか
肥満は一日に余ったエネルギーが脂肪に転化するために、起こります。
一日の余ったエネルギー量=一日の摂取エネルギー量 - 一日の消費エネルギー量
世の中には水を飲んでも太るとか、どれだけ食べても太らないとかーーというような方を時々耳にします。

確かに消化吸収障害が先天的(生まれつき)にあり、せっかくおいしい食事をしてもそのほとんどが、腸から栄養として吸収されないという方も稀にはおいでます。

しかし、大多数の人は上の計算式の元に平等な人生を送っているわけです。特殊な人をうらやましがるのはやめましょう。

従って、太る方は 摂取エネルギーが多すぎるか(食べ過ぎ)、消費エネルギーが少ない(運動が少ない)ということになります。あるいはその両方かもしれません。

人間の体は元々、飢餓に備えて作られています。人類がこの世に現れて、約800万年。その歴史において、飽食の時代は古代ローマや現代の日本など、ある1時代のそれも一部の地域のみでした。

有史以来、人間は飢えと寒さを克服することが、すなわち生きることだったわけです。

従って、人間の体の中には口から摂取された食物エネルギーを効率よく吸収し、かつ貯蔵するメカニズムが幾重にもできています。
余ったエネルギーを脂肪に変えるのは脂肪が1グラムあたり、9キロカロリーと最も熱量が多いため、貯蔵する場合、より軽い重さで足りるからです。
理論上、脂肪は無制限に体の中に貯蔵できる、いくらでも太れると言うことです。
脂質だけでなく、タンパク質、炭水化物もすべて余ったものは体脂肪になります。
その他のビタミンなどは大量にとっても尿中より排泄されます。

逆に、人間の体は飽食、過食に対してはほとんど無防備状態です。過大なエネルギーを処理できないため、膵臓はすぐパンクし、糖尿病が発症します。

その他、様々な病気を肥満は引き起こします。

3.本当に食べていないの!
消費エネルギーに関しては後で詳しく述べますので、ここではもう少し、摂取エネルギーについてお話ししましょう。
摂取エネルギーはその字の如く、口から入ってくるすべての飲食物の総エネルギー量です。稀に点滴等で、血管からエネルギーを補充している方もおいでますが、ここでは対象としません。

私はそんなに食べていないのにーーという言葉もよく耳にする言葉です。
しかし、ほとんどの方は知らず知らずのうちにそれなりに過剰な飲食をしていることが多いのです。

本当に自分の食べている量をチェックするためには 手帳などにその日に食べたものすべてを記入するくらいの気構えが必要です。町で買った缶ジュースも、お隣の家でもらったお煎餅もすべてこの摂取エネルギーに入ります。どうです? あなたは子供の余ったポテトチップスをつまみませんでしたか。

食べ物に関しての知識はまた他のホームページやダィエットの本などに詳しく書かれていると思いますので、ここでは余りふれません。
ちょっと知っていてほしい豆知識を書いておきます。

?三大栄養素のタンパク質、炭水化物は1グラムあたり約4キロカロリー、これに対し脂質は約9キロカロリーあります。
つまり、同じ牛肉でも、赤身だけなら100グラムで400キロカロリーなのに、脂身の部分だと900キロカロリーもあるわけです。わかりますか。

?アルコールは同じく1グラムあたり約7キロカロリーあります。ビール大瓶1本で約250キロカロリーこれはご飯一杯半に相当します。
ちなみに日本人の成人男性の一日に必要なエネルギーは2000~2200キロカロリーです。

?ショートケーキは約300キロカロリーです。これをウォーキングで消費するためには約90分かかります。恐ろしいでしょう。

?夕食を含めて、その後に摂ったエネルギーはほとんど、脂肪になります。
何せ、夕食後働いたり、体を動かす人はまずいませんからーー。

?缶コーヒー、缶コーラーはそれぞれ、約130キロカロリー、100キロカロリーあります。意外に多いのです。

?朝食を抜くと、その間は人工的な飢餓状態となるため、人間の体は皮下脂肪を蓄えようとします。
従って、朝食を抜いてやせるのは全くナンセンスです。

?一日の食事は朝食、昼食、夕食の順にカロリーを落とす必要があります。それはエネルギーを使う時間帯がいつなのかを考えれば、誰にでも分かります。

?同じ理由で、エネルギーを取りすぎになりがちな夕食後ほど、歩く必要があります。寝る前に、30分以上、それでその日のエネルギーの出し入れを調整します。

今日の貯蓄を明日に持ち越さないようにーーー。

それではなにを食べて良いのか。
何を食べてはいけないのか、という質問もよく耳にします。
カロリーの摂取と消費の関係は家計の収入と支出の関係によく似ています。
これがだめ、あれがだめと言うより、バランスをとることが大切なのです。
車を買った年は当然、他の支出は我慢するという具合です。
やりくり上手な奥様にはこれ以上の講義は蛇足というものです。
 

4.健康的にやせるために
それではやせるためにはどうしたらよいのでしょう。
これまでに述べてきたように、やせるためには摂取エネルギーを減らすか、消費エネルギーを増やす、あるいはその両方を実行すればよいということになります。
雑誌やテレビなどで紹介、宣伝されている方法はほとんどは、最初の摂取エネルギーを減らす、すなわちダイエット療法です。やせるために、まず「入りの部分」をコントロールすることは当然大切なのですが(好きなだけ食っていたら、そりゃどれだけ歩いてもやせないわね)、それだけでは大きい落とし穴があります。

確かに、あの式だけみているとどちらかを増やしたり、減らしたりするとつじつまは合うのですが、接収エネルギーを減らすことと消費エネルギーを増やすことは決して同じではないのです。

結論からいいますと、食べるのを減らしてやせるより、運動してやせた方が体にはず~っと良いことなのです。それではその理由を少しお話ししましょう。

1)運動すると筋肉を使う
運動によって、エネルギーが消費されると同時に筋肉が使われます。

日本では今後高齢化の進行が既成事実となっています。その上、年金はこの先、支給されるかどうかさえわかりません。
従って、言ってみれば、私を含めてこれから老後を迎える方は若い者も頼りにならないし、もちろん国など問題外ですから、どう考えたって自分の身は自分で守るしかないわけです。

一言で言えば、「元気でいなくっちゃ」ということです。特に下半身が生活の源です。外出するのも、働きに行くのも、さらには夫婦で遊びに行くにも、歩けなくっちゃ話にならないわけです。

運動して、丈夫な筋肉を作っておかなければなりません。

2)運動すると、心臓や肺が丈夫になる
同じ理由で運動によって、肺が使われ心臓の血流量が増えます。
つまり、基礎的な心肺機能がアップするわけです。車で言うと、排気量が増えるわけです。
坂道を歩いたとき、エンストしなくなります

3)運動すると骨量が増える
運動によって、骨に付加がかかり骨量、すなわちカルシウム量が増えます。最近、骨粗鬆症という病気が問題になっています。
これは実は病気ではないのですが、カルシウムを摂るとか、お日様に当たるとか、ビタミンDをたくさん摂るとか、まあいろいろ言われているわけです。
でも実は一番大切なのは運動で、骨に適度の負担をかけることなのです。
いくらカルシウムを摂っていても、家の中だけでモヤシのような生活をしていては決して骨は強くならないのです。
特に女性は閉経後、女性ホルモンの減少によりすべての方が骨粗鬆症になるといっても過言ではありません。
骨は弱い。
おまけに太っていてはそりゃちょっとした弾みで骨折しますわね。ちなみに寝たきりの最大の原因は病気ではなく、怪我だということを付記しておきます。どうです。
少しは歩く決心ができましたか。

4)運動するとコレステロールや中性脂肪が下がる。
運動、特に有酸素運動によって、コレステロールや中性脂肪が下がります。この二つはいずれも、動脈硬化の進行を促します。
つまり、血管がつまって、脳卒中や心筋梗塞になりやすくなるわけです。
いずれも命に関わる病気です。
それも目に見えない分、よけいに始末が悪いといえます。あなたの周りにもそんな方が必ずいるはずです。病気は他人がなるものではないのです。

それでは次に消費エネルギーについて、お話しします。
消費エネルギーとは生きていく上で、体の中で使われるエネルギーの全体量のことです。

人間が生きていくには、運動したり、働いたりすることだけではなく、食事、排泄、睡眠などの三大生理はもちろん、体の各器官を動かすエネルギーすなわち息をする、心臓を動かす、など実に多くのエネルギーが必要です。
つまり、人間は何もせず、寝ているだけでもエネルギーを消費しているわけです。この生きていく上で最も基本的で最小限必要なエネルギーのことを基礎代謝量と呼びます。

この基礎代謝量はその方の年齢、体重、体の状態などで変わりますが、成人男性で1300~1400キロカロリーです。  
多いでしょう! 何もしなくてもそんなに沢山エネルギーが勝手に使われるんだと安心しないでください。後の残りの分のエネルギー消費が大変なのです。
後はその方の職業によって、つまり仕事の内容によって消費エネルギーは変わります。

これはかなりバラツキがありますので、一概には言えませんが、私のように病院の中で動いている程度の人間は消費エネルギーは基礎代謝量を併せて、約1900~2000キロカロリー程度でしょう。

健康的にやせるためには毎日約300キロカロリー程度マイナスにすることが大切です。
これ以上マイナスにすると、空腹感が強すぎたり、疲労度が激しく、長続きしません。
つまり、摂取エネルギーを変えず(食べる量を変えず)、運動による消費エネルギーを300キロカロリー程度増やすわけです。
このマイナス300キロカロリーで脂肪が 300÷9=32 グラム 程度消費されます。つまり、一日に体脂肪が約30グラム減る、すなわちやせるわけです。

このペースで 32g×30=960g≒1kg 一月に約一キロ減ることになります。
 
5.なぜ、ウォーキングなのか
それではどんな運動でもいいかと言いますと、そうではありません。
運動には 有酸素運動と無酸素運動があります。
ここがみそです。
有酸素運動とは 酸素を使って脂肪を燃やす運動のことです。走る、飛ぶ、などということを組み合わせたテニス、サッカー、卓球といった運動はいずれも無酸素運動で燃料は肝臓に蓄えられたグリコーゲン(・ブドウ糖)です。

疲れるだけで、なかなか脂肪はとれません。
これに対し、有酸素運動はいわゆるテンポのある運動で、同じリズムで同じペースで消費される運動です。
代表的なものはウォーキング、ジョギング、水泳、自転車などです。

ただ、若い方を除いて、ジョギングなどは関節に瞬間的にかかる負担がかなり大きいため、余りおすすめできません。

歩くのが基本です。誰にでも、いつからでも、無理なく始められるのがウォーキングのいいところです。
有酸素運動と無酸素運動の違いは使う燃料の違いなのだ、と覚えておいてください。

特に日本では、糖尿病の患者は潜在患者を含めて、1200万とも1300万とも言われる患者さんがおいでます。
言ってみれば、国民病です。
糖尿病は特に血管をむしばむ病気です。目、腎臓、神経障害の三大合併症以外に脳卒中、心筋梗塞など実に多くの病気を惹き起こします。
高血圧もそうですが、糖尿病も目に見えない分よけいに厄介です。
腰の痛いのは我慢できないが、糖尿の悪いのは全然大丈夫ーーと放置してある人の如何に多いことか。その多くは失明し、足が腐り、腎不全となるのです。
たとえ生きていても、もう人の世話になるだけです。腰が痛くても死にはしないが、糖尿が悪くなれば、確実に死亡します。肥満は病気の宝庫なのです。

それでは健康的な明日を迎えるために、ウォーキング、あなたも始めてみませんか。


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